五月人形の種類ってどんなものがあるの?
初節句、おめでとうございます♪
初めての節句を迎えるにあたって、五月人形が飾られているお店に下見に行くという人も多いのではないでしょうか。
お店に入ると、鎧(よろい)飾りや武者人形、鯉のぼりなどがたくさん飾ってあり、あまりの種類の多さに圧倒されてしまうと思います。
様々な種類の中からどのような基準で選んだらいいのか分からないという場合もありますよね。
今回は、「五月人形の種類や意味と選び方、飾る場所や飾る方角」についての情報をお裾分け致します。
五月人形の種類や意味は?
ご兄弟や従兄弟がいない場合には、五月人形をお家で見る機会がなかったと思いますので、五月人形の種類といわれても「ピンっ」とこない人もいるのではないでしょうか。
端午の節句に飾る五月人形として、大きく分けると「内飾り」と「外飾り」の2つに分類されます。
それでは、「内飾り」や「外飾り」の種類や由来などについて簡単に紹介、解説してみたいと思います。
五月人形の種類と意味について:内飾り編
内飾りとは、字のとおり、部屋の中に飾るものです。
五月人形の由来について
兜(かぶと)や鎧などの甲冑(かっちゅう)は、戦(いくさ)の際に身体を守るための防具です。
このことから、江戸時代に入り、武家の家では、災難や厄などから男の子を守り何事も無く成長するようにと願って飾られるようになりました。
一般の人々は甲冑を持っていないため、鎧兜を真似たものをつくり、飾るようにしました。
また、武家人形は、雛人形と同様に、男の子の身代わりとなってもらい、厄を受けるお守りとして飾られるようになりました。
このように「身を守る」ための防具である鎧兜、そして「身代わり人形」となる武家人形には、男の子の健やかな成長と無病息災を願うという両親の想いが込められているのですね。
五月人形の種類
五月人形(内飾り)の種類は大きく分けて4つのものがあります。「鎧飾り」と「兜飾り」、「武者人形」、「つるし飾り」と呼ばれるものです。
元々は全ての防具を飾る鎧飾りが基本でしたが、次第に簡素化され、兜だけを飾ることが多くなっていきました。
また当時において、武者人形を飾るのは裕福な身分の方でした。
武者人形を持つことが出来ない一般の人々は、武者人形の代わりとして、布切れを用いて小さな人形やお飾りをつくり、糸でつなげ、それらを吊るして飾るようになりました。
これが「つるし飾り」と呼ばれるものです。
≪鎧飾り≫
・頭や胴体などに付ける甲冑すべてを模した飾りです。
・平飾りと三段飾りがあり、三段飾りはフルセットとなります。
・相場:15~20万円
三段目:鎧兜、弓と太刀(たち)、かがり火
二段目:軍扇揃(ぐんせんぞろい)、陣太鼓、陣笠揃(じんがさぞろい)
一段目:菖蒲酒、柏餅、粽(ちまき)、吹流し、鯉のぼり
≪兜飾り≫
・頭に付ける兜を模した飾りです。
・弓と太刀と一緒に飾る3点セットのものが一般的です。
・相場:5~10万円
≪武者人形≫
・伝説や歴史上の豪傑や英雄、物語の主人公をモデルにした人形飾りです。
(源義経、金太郎、桃太郎、牛若丸、子供大将、鍾馗さまなど)
・相場:~5万円
≪つるし飾り≫
・江戸時代から始まったもので、小さなお人形(鯉、でんでん太鼓、まり、団子など)をつるして飾るものです。
・鎧飾りの紹介写真のように他の飾りと一緒に飾るとより華やかな感じになります。
・相場:~3万円
五月人形におけるお値段の相場は、あくまでも目安となりますので、ご参考までにどうぞ。
通常の飾りもありますが、戦国武将モデルというものがあります。
好きな武将やその地域の武将の甲冑を準備される人も多いそうです。
・伊達政宗
・上杉謙信
・武田信玄
・徳川家康
・織田信長
・豊臣秀吉
・etc
五月人形の種類と意味について:外飾り編
外飾りとは、字のとおり、屋外(庭やベランダ)に飾るものです。
五月人形の由来について
江戸時代の頃、武士の家では男の子が生まれ、跡継ぎが出来た際、「強く」、「たくましく」、「丈夫」に育ってほしい、そして「厄除け」の意味も込めて庭や門前に家紋の旗や幟(のぼり)を立ててお祝いをする風習がありました。
また中国には、鯉が黄河の上流にある「龍門」という滝を登り、龍になって天に昇る「鯉の滝登り」という伝説があります。
中国において龍は皇帝のシンボルとされていて、鯉が龍になるということは、出世をする意味となります。
この伝説が日本に伝わり、家紋の旗や幟を持っていない一般の人々は「鯉」を「のぼり」として飾るようになったことが、「鯉のぼり」の由来となっています。
このように「立身出世」の象徴である鯉のぼりには、男の子の健やかな成長と出世を願うという両親の想いが込められています。
また、鯉のぼりの一番の上についている五色の吹き流しは五行説に由来し邪気を祓うという意味があります。
五月人形の種類
≪武者幟≫
・家紋や、武者の絵などを描いた幟
≪鯉のぼり≫
種類 | 色 | 意味 |
吹き流し | 五色 | 魔除け |
真鯉(まごい) | 黒色 | お父さん |
緋鯉(ひごい) | 赤色 | お母さん |
子鯉(こごい) | 青色 | こども |
※五色:黒、赤、青、黄、白
五月人形の選び方はどうすればいいの?
五月人形の種類や意味については、なんとなくご理解して頂けたと思います。
では、次にどのように五月人形を選んだらいいのか、五月人形の選び方について見ていきましょう!
ポイント1:内飾りと外飾りの両方必要?
五月人形の場合、内飾りと外飾りとでは、願いを込める内容が異なりますので、本来であれば両方を飾る事が一番望ましいことになります。
≪五月人形に込める願い≫
■内飾り:無病息災で、健やかに成長して欲しい
■外飾り:人生の困難を乗り越え、立身出世して欲しい
しかし、飾る場所などの問題や予算を考えると、両方を飾るのは難しいため、内飾りと外飾りのどちらか一方を選択するという場合もあるかと思います。
地域の風習やご家庭の考え方によって、主体となる飾り方があると思いますので、それぞれのご家庭で相談して決めるようにしましょう。
また、最近では、「武者人形」(内飾り)と「鯉のぼり」(外飾り)が一緒になった飾り物もありますので、このような飾りを選ぶことも検討してみてはいかがでしょうか。
ポイント2:飾り方
内飾りの場合
五月人形の内飾りの場合、飾り方は以下の3つに分かれます。
■平飾り :平らな台と屏風などを組み合わせた飾り方(段飾りも含む)
■収納飾り :収納箱と飾り台が兼用で、コンパクトな飾り方
■ケース飾り:ガラスやアクリルのケースの中に兜などを収めた飾り方
主流なのは、収納がしやすい、2番目の「収納飾り」か、3番目の「ケース飾り」です。
一例として「兜飾り」における3つの飾り方について掲載しました。違いを比較するのに参考にしてみてはいかがでしょうか。
いずれにしてもある程度のスペースが必要となりますので、どこに置くかを想定して、購入するときにはサイズを確認するようにしましょう。
外飾りの場合
五月人形の外飾り(武者のぼり)の場合は、基本的には屋外に飾るものです。
しかし最近では、名前入りのものを室内に飾る方も増えてきています。
また、五月人形の外飾り(鯉のぼり)の場合、飾り方は以下の2つに分かれます。
■庭飾り :庭にポールを設置する飾り方
■ベランダ飾り :ベランダにポールを設置する飾り方
広いお庭があるご家庭の場合を除き、ベランダに飾るタイプが多くなっています。
やはり、コンパクトなので鯉のぼりの出し入れが比較的楽なところも魅力の一つですね。
いずれにしても設置場所の確保が最重要となりますので、まずは設置可能かどうかを確認しましょう。
ベランダ飾りの飾り方は、下記の記事で紹介していますので、宜しかったら参考にしてみて下さいね。
【鯉のぼりベランダでの飾り方や選び方のコツは?風雨夜はどうする?】
五月人形の飾る場所と飾る方角はどこがいいの?
では最後に五月人形の飾る場所や方角について、ご紹介していきましょう。
五月人形の内飾り ⇒ 五月人形
五月人形の外飾り ⇒ 鯉のぼり
として説明していきますね。
五月人形を飾る場所や方角について
五月人形を飾る場所は、基本的にはこれといった決まりはありません。
少し前までは、鎧飾りの大きな五月人形を飾る場所としては、客間に飾ることが一般的でした。
今は、住宅状況の問題もありますが「リビング」に飾る方が多くなってきています。
内飾りの目的としては「子どもの健やかな成長と無病息災」を願うものですので、家族が集い、長い時間を過ごすリビングに飾るのがオススメとなりますね♪
ただし、大切な五月人形ですので、飾る際、以下の点に注意するようにしましょう!
≪五月人形を飾る際の注意点≫
■直射日光が当たらない場所に飾る
■水や油が掛からない場所に飾る
※キッチンの近くや水槽の近くは避ける
■湿気のない場所に飾る
※窓際などで結露しやすい場所は避ける
■生活動線の邪魔にならない場所に飾る
また五月人形をどちらの方角に向けたらいいかを気にされるかたもおられると思います。
神棚と同じように「東向き」、「南向き」にすると良いということも言われていますが、五月人形は「神様」ではないので、神棚と同じように考えなくても大丈夫となりますね。
上記の注意点に気を付け、家族をいつも見守ってくれる場所に飾ると良いでしょう♪
鯉のぼりを飾る場所や方角について
鯉のぼりを飾る場所は、基本的には外となりますが、方角とかに決まりはありません。
お子さんの成長と出世を願って、五月晴れの良く澄み渡った青い空を「川」に見立てて、「鯉」を気持ちよく泳がせてあげるようにしましょう!
鯉のぼりを外に飾る理由としては次の二つがあります。
≪鯉のぼりを外に飾る理由≫
■神様を招くため
鯉のぼりの一番上についている金色に輝く「回転球」を回し、キラキラと光らせることにより、神様に気付いてもらう必要があります。
神様に気付いてもらうことでご加護を頂き、健康に過ごせると言われています。
■魔除けと厄払いのため
回転球の下についている風車は「矢車(やぐるま)」と言います。
今の矢車はほとんど音がしませんが、以前の矢車は回るとカラカラという音がしました。この音を出すことが魔除けになると言われています。
住宅のご事情もあるかと思いますが、出来る限り、鯉のぼりは外に飾るようにしてあげて下さいね♪
五月人形の種類や意味と選び方は? まとめ
今回は、「五月人形の種類や意味と選び方、飾る場所や飾る方角」についての情報をお裾分け致しました。
如何でしたでしょうか?
一口に五月人形といっても色々なものがあり、しかも内飾りと外飾りで込める願いも違っているんですね。
ご家族で相談の上、素敵な五月人形をお子さんに贈ってあげて下さいね♪
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端午の節句についての記事は以下のものがあります。
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【五月人形の種類や意味と選び方は?飾る場所と飾る方角は?】←今ココです。
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